どんな“こだわり”をもっていますか?
種は代々、自家採種

最近は育苗会社でも「だだちゃ豆系統」の種が外販されるようになりましたが、治五左衛門農園では、代々受け継がれてきた種から栽培をし続けています。
 
味や香りだけでなく、熟期(収穫期)、草姿(枝の大きさや形)、莢(さや)の形、毛の色、花の色に至るまでだだちゃ豆の理想とされてきた枝豆に育ったものだけを選んで収穫し、次年度へ残し続けます。
 
山形県鶴岡市の大泉地区には、何世代も前からこのようなやり方で、自分の家の種を家宝として守ってきた農家が存在するのです。
 
img_2275.jpg私の祖父母の若い頃。だだちゃ豆作りは祖母の仕事でした。 img_2277.jpg p1010058.jpg img_7524.jpg img_2123.jpg
 

在来野菜というブランドと弱点

ところで、みなさんは在来野菜(ざいらいやさい)という言葉を聞いたことがありますか?
 
在来野菜とは、ある地域で育てられてきた品種改良されていない昔からの野菜です。だだちゃ豆も在来野菜の一つです。品種改良されていないため、色々なリスクがあります。
 
・害虫や病気に弱い
・倒れやすい
・収穫量が少ない
・発芽率が低い
・種は糖分が多くカビやすい
 
土に種がまかれた瞬間から、だだちゃ豆にとって過酷な自然との戦いが始まるのです。

 

 

だだちゃ豆本来の能力を引き出す

発芽率の低いだだちゃ豆。100粒まいても10粒しか発芽しないこともあります。毎年、春の種まきの時期には、「少しでも多く発芽しますように、、、」と祈る気持ちでた種まきをします。
 
また、温暖化やゲリラ豪雨などが増えている環境の中、すべての生育ステージにおいて適切な成長の手助けをしてあげることが重要になり、水分量、養分量や種類などを、わずかな葉の色の変化や根の張り具合、成長スピードから判断します。治五左衛門では葉は大きく厚く育てることで、光合成能力を高め、食味を最大限に高める栽培をしています。
 

リスクを取り、手間をかける

光合成の力を引き出す方法を実施する一方で、茎の節と節の間が伸び、倒れやすくなるリスクが出てきます。そのため、畑全面に支えになる棒(支柱)を立て、ひもを張るとても時間のかかる作業をします。手間はかかりますが、これがだだちゃ豆本来の美味しさを引き出せる方法なのではないか、と考えています。

 

 

収穫適期を見極める農力

枝豆の収穫適期はわずか34日間と言われていますが、だだちゃ豆においては、おそらくピークは2日、品種によっては1日しかないものもあるように感じています。さらには完全に熟すほんの少し前の方が美味しい品種もあります。見極めが本当に重要な作物です。過去には、収穫遅れで食味を落としたり、早く収穫してしまって実が薄くなってしまうなど、たくさんの失敗もしてきました。

 

 

研究機関との研究活動

様々な研究機関(山形大学農学部、慶應義塾大学先端生命科学研究所、鶴岡高専など)との農業分野での研究のお手伝いをしています。特にだだちゃ豆の農業環境、農業機械、植物生産において情報提供をしてもらっています。
 
より多くの人が「在来野菜・だだちゃ豆」の美味しさを知ってくださり、より多くの研究者にこの地域の農業を研究していただけると、地域の農業が活性化します。それが「食」に関わるみんなの元気につながると信じています。
 

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